うちの母は自営業を営む父の手伝いをしていたのですが、「自営の場合は子供を保育園に預けることができない」と思っていて、やんちゃで大変だった兄や姉を自宅で育児しながら電話受けや書類作成など、家事の他にも父の仕事を手伝っていたそうです。
当時の母と同じく現在3人の子供を育てている私としては、「よく仕事になったな…」という思いしかありません。
実際は自分自身が自営業を営む場合も、また旦那さんの手伝いをしている場合も、育児をすることが仕事へ支障が出る場合は保育園に申し込むことができます。
今回は自営業を行なっている、もしくは自身や伴侶が開業しようとしている方へ向けて保育園のルールや私の体験を書いていこうと思います。
自営業で子供を保育園に預けている人はどれくらいいるのか
認可保育園に入れるかどうかを選考される際には、いろいろな条件を元に点数をつけて、点数の高い家庭から優先的に保育所に入れるようになっています。
その基準点数は自治体により定められているので、条件や点数も地域により多少異なってきますし、毎年改正されているので申し込み年度によっても異なります。
ちなみに私が住んでいる自治体の今年度の基準点数表は下になります。
こちらの表は「(お住いの自治体名) 保育所 点数」で検索するとすぐ出てくる自治体もありますし、「〇〇年度 保育所募集要項」などの資料が検索結果にあれば、その資料の中にあります。
今回改めて表を見てみて、私は単純に「自営業者は外で勤めている人よりも点数が低い」と思っていたのです(私が保活していた頃はそうだったと思います)が、私の住んでいる市も今は自営業でも外勤の場合は雇われている方達と同じ基準で点数がつくのですね。
だいぶ進んできたなぁ…とうれしく思います。
この表を見る限り、点数の基準は自営かいなかというよりは、家で仕事をしているのか外で働いているのかということになり、点数の差は10点あります。(あくまで私が住んでいる市の場合ですが…)
さてさて、自営業で保育園に子供を預けている人は実際のところどのくらいいるのでしょうか。
私も実際に自営業を始めて保育園に子供を預ける際に気になり、見学へ行った時に保育園の先生に直接聞いたことがあります。
以前求職活動を理由に保育園へ子供を預けていた時に先生からプレッシャーを与えられたことがあったので、(保育園に子供を預けていた私が仕事を辞めた理由参照)自営業だと執拗な質問を受けたり、本当に仕事をしているかを疑われたりしないかという心配もありました。
当時2013年。4年も前ですが保育園に見学へ行った際に、子供を預けているお母さんで自営業をしている人はいるかと先生に聞くと、
「けっこういますよ~。私の友人にもいます」
と、何ともさっぱりとしたアバウトな回答。でもそのアバウトさが逆に安心させてくれました。
そして実際に入園してみて、同じクラスの20名の園児たちのうち、私含め3人のお母さんは自営業もしくは旦那さんの手伝いでした。
学年によってや、園のカラーによってもその割合は変わってくるとは思いますが、これから先自営業を営む主婦は増えてくるのではないかと私は思っています。
自営業を始めるとは一体どうゆうこと?開業についてのあれこれ
自営業をする主婦が増えると思う理由はいくつかあります。
- 共働きの増加
- 自営業含め、いろいろな働き方に関する情報がたやすく手に入る時代
- 企業においての女性の働き方がなかなか変化していない現実
1番は、言うまでもなく周囲を見れば歴然。昔は珍しかった共働きも、今はお金を稼がず家庭を守るだけのお母さんの方が少ないです。
少子化で団塊の世代が退職を迎える年に突入してきた昨今(高齢でも現役で頑張っていらっしゃる方も度々見かけます)、女性も社会を支える働き手として進出していくのは自然の流れなのかもしれません。
二番は、インターネットが普及して、疑問に思うことは検索すればすぐに情報が手に入る時代になりました。
私自身も、ネットからの情報がなかったら自営業に手を出そうと考えたとしても行動にまではうつせなかったと思います。どこで、どうやって、誰に情報を得ればいいか分からないからです。けれどそういった情報が、今は検索さえすればすぐに手に入るようになりました。それに伴って自営業という選択肢が、さほど高い壁ではなくなったように思います。
3番については、私も会社に勤めなくなって4、5年経ちますし、その間に女性の働き方について世の中ではたくさんメディアやニュース等でも取り上げているので少しは変わってきたのかもしれませんが、
実際に育児しながら会社に勤めていた頃に感じたことは、制度が変わっても人の心の中が変わらなければ働きづらさは変わらないということ。
一人一人の思いが変わって初めて、会社なり、世の中なり変化していくものだと思うので、これはなかなか時間がかかりそうですよね。
・・・と、ちょっと脱線しましたが、話を戻しましょう。
自営業を始めるとは具体的にどうゆうことなのでしょうか
自営業を始めるには、まず何をしてお金を稼いでいくのかを決めなければいけません。そして具体的な計画をや目標を立てます。
収入に応じた税金を納めるためにお住いの地域の税務署に「自営業の開業・廃業届出書」https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/pdf/04.pdfを出すことで自身の中でも自営業を始めたという意識づけにもなりますし、保育所へ提出すれば自営をしている証明にもなります。
保育園の入園の条件に「いくら以上の収益がないといけない」というものはないので、たとえ赤字や収益0円だったとしても保育園に入園することはできますが、なかなかバカにできない保育料がかかってくるということ(公立保育園、幼稚園の費用の違いと月々にかかる金額の調べ方参照)は念頭に置かないといけません。
また、自営業は働き方を自分で決めることができますが、週何日、何時間働くかということは保育園入園前に書類に書いて提出する必要がありますし、前項の点数表にあるように、基準点数に労働時間は大きく関係してきます。
仕事内容や自分自身にあった働き方(労働時間)を考慮し、調整つつ正直に申告しましょう。
「自営業の開業・廃業届出書」を税務署に提出することで心配だったのは、面倒くさいこと、時間やお金を浪費するようなことが多くなるのではないかということ。ですが、年間収入から経費を差し引いた金額が97万円以下であれば、住民税、所得税を支払うことはありません。
97万円を超えるようであれば、申告して税金を払う必要が出てくるので、年末調整等の面倒くさい仕事がでてきます。
それ以外には、帳簿のつけ方についての講習会が年に1回、自営を始めた最初の年に税務署から案内が届きます。参加するかしないかは自分の自由です。参加することで勉強になるとは思いますが、時間の都合がつかなければ行かなくても平気です。
自営業者が子供を保育園に預ける時、保育料は経費になるの?
会社に勤めていた頃ですが、保育園の保育料があまりにも高額で、勤めていた所がそんなに収入の高い会社ではなかったので、収入の半分以上が保育料に消えてしまい、「一体、何のために大変な思いして仕事をしているんだろう…。保育園に預けるため?」
と、何だかよく分からない気持ちになったことがあります。
自営業者にとっては、毎月決まったお給料をもらえるわけではないからこそ、保育料を経費にできたら、すごい節税になるんだけどな~。という思いがあります。
けれど、結論から言うと、保育料は経費にはなりません。
子供を預けなければ仕事ができないというのに、厳しい現実です。
実際、大阪在住のサロンを経営している私の友人は、子供を保育園に預けずに仕事をしていたりします。顔見知りのお客さんは子供がいても気にしない人もいて、どうしても子供がいるとできないお仕事の時だけ実家に預けていると言っていました。
もし、それが可能であるなら、保育料分の出費が浮くのでかなりいいですよね。
就労証明書の書き方
仕事を理由に保育園に子供を預ける人は、必ず同居している65歳未満の大人全員分の就労証明が必要になってきます。
会社勤務をしている人は通常、会社で書いてもらって提出するのですが、自営業で完全に個人で働いているとなると自分自身で書かなくてはなりません。
(2018年度の私の住んでいる自治体の就労証明書には、「自営業者は可能であれば本人ではない、ともに事業をしている人に証明書を書いてもらうこと」との追記がありました。
自分以外に証明書が書けるような人がいるのであれば、書いてもらうのが一番です。
最新の就労証明書に関する記事は転職した時や自営業の保育園用就労証明書の書き方【2018年】参照)
どんな風に書けばいいのか細かく解説していきます。
これが、私の住んでいる市の就労証明書です。(自治体により様式が異なります)
1.施設名等
保育園在園中も必ず9月には就労証明を提出します。在園中の場合はそちらにチェックを入れ通っている保育園の名前を書きます。
新しく申し込む場合は「申込中」にチェックを入れて第一希望の施設名を書きます
2.利用希望児童名
保育園に入れたい子供の名前と、生年月日を記入します。同時に申し込む兄弟がいたら、その子の名前と生年月日も記入します。
3.被証明者
自身の証明であれば自分の住所と名前を記入します。他の人の証明をする場合、その人の名前を記入します。
4.仕事をする場所、仕事の内容
自営業を開業する際に税務署に提出した書類に記載した住所と内容を記入します
5.就労開始年月日
仕事を始める日を記入します。保育園に子供を預けてからであれば、そちらの欄にチェックを入れます。
6.就労身分
「自営 手伝い」にチェックを入れます。
7.育児休業・産前産後休暇後の就労復帰年月日
自営業の場合育児休業は取れないので、すでに子供が在園していて、産前産後休暇を取った後に就労証明を提出する場合はこちらに復帰した日付を記入します。
8.通常の勤務時間
何時から何時まで働くかを記入します
9.就労(予定)日数
週5日であれば、月に約20日です。
10.賃金形態
完全に自営業をされている方であれば、その他で出来高の場合が多いのではないでしょうか
11.就労実績
新しく開業したばかり(する予定)で実績がないときは記入不要ですが、開業してしばらく経っていて、産前産後休暇を取っていた場合はその間の実績も記入します(実績がなければ0円)と記載し、備考に休暇中だった旨を記載しましょう。
12.育児休業等証明欄
育児休業や介護休業を取得していなければ、記載する必要はありません
13.証明年月日
就労証明を書いた日付と、すでに働き始めているのであれば「勤務していること」、これから働く予定であれば「勤務予定であること」にチェックを入れます。
14.事業所名、代表者名、所在地、電話番号
自営業登録の際に決めた名称、電話番号、所在地、代表(自分)の名前と印鑑を押します。
こちらは役所で配っている就労証明の書き方です。
自営業者が二人目を妊娠した時の産休、育休申請
普通の会社勤務の人もそうですが、上の子が在園中に次の子供を妊娠し産前休暇(出産予定日から6週間前)に入ると、保育の理由が「就労」から「産前(後)休暇」に代わり、産後8週間までは上の子はそのまま在園することができます。
通常、会社に1年以上勤めていて育児休暇(最長3年)を取得することができていれば、そのまま育児休暇中も子供を園に在籍させることができます。
けれど自営業の場合には、そもそも育児休暇という制度がありません。
自身が無給で勝手にお休みすることはできますが、育児休暇がという公的なお休みが取れない以上、産後8週までに生まれたばかりの子供を保育園に預けて働き始めないと、上の子供たちを預ける理由がなくなってしまうので退園しないといけないそうなのです。
私自身、3人目の子供を産むときにまさにこの様な状況で、一番上が年中さん、二番目が1歳児クラスの時でした。
たまたま園長先生がそのことに気づいて教えてくれたので、生まれる前から保育園入園の手続きを進めたりすることで上2人の途中退園は免れましたが、そういった制度を知らず、下の子供の保育園を探さなかったばかりに退園させられてしまった人も、過去にいたそうです。
うちの子供の場合、1月が出産予定で保育園の申し込みに時期に間に合わず(生まれる前に保育園に申し込めるのは、12月末までの出産予定日の子までだそうです)、運が悪いなぁ・・・と思っていたのですが、1月予定日だったからこそ、4月入園の申し込みでも産後休暇から時間が空くことなく保育園に預けることができて、上の子供たちも退園させられなくて済んだので、逆にタイミングが良かったのかも…。
いっそ上の子供たちも退園させて、3人を家庭保育で見ようかな。。という考えも頭をよぎったのですが、長男はもう年中さん。毎日保育園に行くことを楽しみにしていて、帰るとお友達の話や保育園であった出来事などを話してくれます。
一番いろいろな経験をさせてもらえる年長さんの一年だけを家庭で…、というのは、あまりにも可哀想だと思いました。通っていた保育園がとてもいい保育園だったからこそ、お友達と一緒に卒園させてあげたかったです。
園長先生の計らいもあり、何とか4月から三番目の子も保育園に通うことができて上の子供たちも退園せずに済んだのですが、生後2ヶ月の赤ん坊を保育園に…。他の人には絶対オススメしません。
初めは病気、病気、病気。。。入園して慣らし保育が終わって1週間くらいすると、月の半分以上は病欠。
長男の入院も経験していたので、男の子の体の弱さと、無理をしてもいいことは無いことはよく身にしみていました。収入はさておき、とにかく息子優先で体調が優れない時は休んでいました。
息子をおぶりながらPCに向かうこともしばしば。
その期間こそまさに
「何のために働いているんだろう…。保育園に行くためだな」という感じでした。
実際にそうですしね。
まとめ
ここで書いている保育園に関する情報は、あくまで私が住んでいる地域での出来事です。
就労証明書の様式や自営業者は産後8週目以降退園しないといけないということなど、制度は自治体により異なっています。確かな情報を得たいのであれば、直接役所に訪ねに行くか、もしくはホームページを調べてみるのが一番です。
私も少し調べてみましたが、自営業者の場合、就労証明書の他に自営届出書を出す必要がある地域も多い様です。地域それぞれ、住民の特性や困っていること等土地柄も異なるので、本当に違うのだな…。と、ちょっと調べただけでも感じました。
自営業と聞くと、「かっこいい」とか、「いいな」という反応が帰ってくることが多いのですが、会社などの大きな組織に属している方が守られている部分が多くあります。
どちらがいいとは向き不向きもあるので一概には言えませんが、私は正直、会社に勤めていた頃の自分はいろいろな面で得をしていたなと実感しています。
はじめまして、このサイトの管理人pikariです。
中国人の旦那を持つ日本人妻であり、二人の男の子と一人の女の子を育てるワーママです。
子供ができてからずっと「育児も仕事もバランスよくできる職場」を模索し続け、たどり着いた今が2種類の自営業を掛け持ちしつつ旦那の事業を手伝いつつ育児をするという、超アンバランスで不自由なような自由な生活。笑
理想の生活にはまだたどり着けていませんが、育児も仕事も、日々反省しながら一歩一歩、少しづつ前進している毎日です。
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