今回は、中国に単身赴任する場合、毎月の生活費をどの程度見込んでおけばいいかを、調査しました。
生活費で大きいのは、1.住居費 2.食費 3.水道・光熱費 4.通信費などの、生活インフラの費用。それに、服飾費・交際費・雑費などが加わります。
注意が必要なのは、住居費と食費です。
住居費は、どの規模の都市に赴任するかで、大きく違います。食費は、自炊か外食か、現地食か和食かで、違ってきます。あらかじめ、現地での暮らし方を想定しておくことが賢明です。
ここでは、大都市圏の代表として北京と上海、地方都市の代表として大連と西安を例として、できるだけリアルに、毎月の生活費を想定してみました。
中国での生活費 北京の場合
最初に、中国全体のデータを、さくっと見てみましょう。
世界生活費調査(マーサー社:2018)
会社の社員を駐在させる時、どのくらいの生活費がかかりそうなのかを決める時に、よく利用される調査です(住居費/交通費/食料/衣料/家庭用品/娯楽費などすべてを含んでいます)。
世界の都市の中で、生活費が一番高いのは香港、2位が東京です。中国で生活費の高い上海や北京も、東京ほどではないことがわかります。
1位:香港 2位:東京 3位:チューリヒ 4位:シンガポール 5位:ソウル
6位:ルアンダ 7位:上海 8位:ンジャメナ 9位:北京 10位:ベルン
中国都市別の平均家賃(中国不動産業協会:2016)
生活費の中で、最も大きい家賃を、中国の都市別に見てみます。
最も高い北京や上海で、1LDKの家賃が月7-8万円、地方都市の大連になると、約半分の月3-4万円であることがわかります。
【大都市圏】
1位:北京69.27元/月・m2 (1LDK換算 4,850元/月=約8万円)
2位:深圳67.97元/月・m2 (1LDK換算 4,750元/月=約7万8,000円)
3位:上海67.61元/月・m2 (1LDK換算 4,730元/月=約7万8,000円)
【大都市圏に次ぐ都市圏】
6位:広州43.55元/月・m2 (1LDK換算 3,050元/月=約5万円)
【地方都市】
16位:大連30.79元/月・m2 (1LDK換算 2,150元/月=約3万5,000円)
生活費を左右する重要なポイント
単身赴任の生活費を想定する際、どのような生活をするかで、生活費は大きく変わります。
・「住居費」:安全性を考えて外人向けの賃貸にすると、さらに高額になる。
近年、都市部の家賃が急騰している。
・「食費」:住居費に次ぐ支出項目。単身で外食が増えると、高額になる。
和食が多かったり、食材を選ぶと高額になる。スタバやマックの値段は日本と変わらない。
ランチが意外と高額になる。
・「光熱費」:地域で異なるが、そんなに高額にはならない。
では、最初の北京への単身赴任のケースです。
私の元いた会社の中国支社は北京にありました。
当時(2016)若い単身赴任者が、自炊中心で質素に暮らして、月5,000元(約83,000円:住居費除く)と言われていました。内訳は、食費3,000元、水道・光熱費500元、その他雑費(小遣い・交際費・日用品・通信費)1,500元です。
外食・和食中心の場合は食費を2倍見込めとも言われていました。この場合は月8,000元になります。
問題の住居費は、2018年の北京の平均家賃が、92.33元/月・m2というデータがあります。1LDK換算で、10万6000円の急騰ぶりです。が、それも現実として、こちらを採用します。
外国人専用賃貸を利用した場合は、家賃は2倍です。
【北京での単身赴任の生活費】
住居費:11万円
食費:5万円
水道・光熱費:1万円
その他雑費:3万円
1LDK・自炊中心、質実剛健で生活した場合で20万円。
単身で、外食や和食が多くなる場合、食費を2倍と見込み25万円。
さらに、外人向けの専用住宅を選んだ場合、住居費が22万円となり36万円を見込みます。
中国での生活費 大連の場合
大連の場合は、沿岸部の地方都市ですので、家賃が大都市圏の約半分でむと想定します。
食費も、地元のスーパーなどを利用する頻度が高まり、北京の半分くらいで済みそうです。
【大連での単身赴任の生活費】
住居費:5万円
食費:3万円
水道・光熱費:1万円
その他雑費:3万円
1LDK・自炊中心で12万円(外食中心15万円・外人専用住宅利用20万円)
中国での生活費 西安の場合
内陸部の地方都市として、家賃は沿岸部の大連よりも少し安め。
【西安での単身赴任の生活費】
住居費:4万円
食費:3万円
水道・光熱費:1万円
その他雑費:3万円
1LDK・自炊中心で11万円(外食中心14万円・外人専用住宅利用18万円)
中国での生活費 上海の場合
上海は国際都市なので、外国人居住者が多く、デパートやスーパー、レストランやバーなども、海外ブランドが多く入っています。
海外ブランドの場合、値段はそのままグローバル価格ですから、飲食費はかさむでしょう。
【上海での単身赴任の生活費】
住居費:11万円
食費:10万円
水道・光熱費:1万円
その他雑費:3万円
1LDK・自炊中心で25万円(外食中心35万円・外人専用住宅利用46万円)
イメージとしては、若い独身の社員が、中国で自炊中心の単身生活する場合なら、北京:20万円 上海:25万円 大連:12万円 西安:11万円。
家族持ちの中堅社員が、中国で外食中心の単身生活する場合なら、北京:25万円 上海:35万円 大連:15万円 西安:14万円を見込みます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
こんにちは。
長らく広告会社に勤めてきて、今はフリーの男性です。
会社時代は、中国に出張することが多く、東南アジアにもよく出張していました。
市場調査の仕事だったので、生活習慣や、意識について関心を持つ傾向があります。
趣味はカメラと旅行。よろしくお願いします。
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